制作について11

立体作品を制作していると、技術の向上が目で見てわかる。

制作するたびに、自分の頭で描いている完成図に近づける力が身につく。

積み重ねる経験の大切さがわかり、努力や進化が形としてあらわれるので制作していて楽しい。

油彩画では、あまり技術だけが向上しないように注意しながら制作していた。

「上手くなりすぎないように気をつけた方がいい」という、過去の意見に囚われていた。

自分自身も過去の作品に囚われていた部分もある。

過去の作品や栄光からなかなか抜け出すことができずにいた。

新しい試みをするのが怖かった部分も少しある。

それが制作のブランクにもつながったことも、知っている。

8月の展示では、立体の評価がより高かった。

「水彩画や立体作品の方が、油彩画よりも自由な感じがする」という、意見も多かった。

作品を通して、鑑賞者に伝わることにも気付く。

自分自身、立体や水彩画では自由に冒険していた。

反面、油彩画は作品としての完成度や構図を重視して、冒険まではしていなかったように思う。

一番得意なジャンルだからこそ、失敗を恐れていた部分もある。

油彩画も自由に描きたいし、進化したい。

もっともっとすごい作品を描きたいし、作品がもつ魅力を伝えたい。

過去の作品よりも今の作品の方が向上しているし、もっと良い作品が描ける。

そう気付いた時、過去や過去の作品からすべて脱皮できた。

何年も悩みながら、過去の自分の弱さや自信のなさも直視してきた。

大切なことや答えは自分自身の心の中や制作の中にすべてあることも、知っている。

他者の意見も参考にしつつも、自分の考えをいちばん大切にしよう。

作品がもつ力をもっと信じたいし、自分が一番信じてあげないと作品がかわいそうだ。

作者のアピール不足や自信がないせいで、作品をいつまでも世に出せないのは悲しいことだ。

もう技術の向上も怖くないし、冒険もできる。

描けば描くほど作品は良くなるし、過去の作品も好きだが、今の作品も好きだ。

ようやく自由になれる。

新しい作品を自分自身が一番見たい。

ようやく夜が明けた。