矢部は生命力をテーマに制作している日本の美術家である。
彼女は幼い頃から絵を描くことが好きだった。
身の回りのものを鉛筆で描写して観察眼を養い、
生き物の図鑑を読んで想像力を育んでいた。
彼女が初めて描いたドローイングは、様々な生き物たちが棲む海中空間だった。
幼少期に培った生き物への興味や創造力は、彼女の制作の原点である。
生命力への渇望と自由への願望は、今も彼女の制作の原動力になっている。
矢部は13歳の時に50号サイズの油彩画を制作し、
材料の面白さや大きなキャンバスを描く楽しさに目覚めた。
彼女は京都市立芸術大学・大学院で6年間油彩画を学んだ。
大学時代は人物画を描き、空間に興味を持ち始めた。
大学院では動物へとモチーフを変え、画面の中に複数の空間を描くようになった。
在学中に初めての個展を行い、展示活動を始めた。
卒業後、幼少期に描いた海中空間を題材とした大作を描き、
展示空間やインスタレーションに興味を持ち始めた。
矢部は鑑賞者とつながるアートを追究している。
油彩画では、体感型アートに取り組んでいる。
キャンバスを窓に見立て、生きものたちが棲む異空間を描いている。
鑑賞者が追体験できるように、大作を描くことが多い。
立体作品では、生命力の抽出や鑑賞者との対話型アートに取り組んでいる。
作品を取り巻く空間はとても大切だ。
空間全体で生命力を表現することにより、
鑑賞者に体感型の展示空間を提供するとともに、
彼女自身も生命力という安心感に包まれている。

