作品について3
いろんな作家の展覧会で作品を見ていて思うのは、画面のもつ強さだ。
さらっと描いてある線や塗り残しがある画面構成でも、ちゃんと完成作品として見える強さがある作品が多い。
その画面の強さは一体なんなんだろうと思いながら、いつも作品を鑑賞している。
途中で終わって見える作品と完成して見える作品との違いはなんなのか。
売れている作品は、近くで見ても遠くで見ても画面が強いということにも気付く。
絵には、作品として言い切る力と画面がもつ強さが必要なんだろうなと思う。
自分の望む理想がはてしなく遠すぎて、どこまで行けるのだろうと不安になる。
追いつけるのだろうか。
今の自分の力が足りなさすぎて、美術作家としてのスタートが遅れすぎて、焦りもある。
みんながコツコツと20年以上かけて進んできた道に何とか追いつこうとしているのだから、
焦るのも当たり前なのかもしれない。
今わかっていることは、ただ一つ。
今やらなければ後悔して一生を暮らすことになるということだけだ。
もうそんな思いはしたくない。
今は何も考えずに目の前の課題をこなしていこう。
手や感覚を取り戻すために制作に集中するしかない。
高く高く飛ぶために。